Shooting in the rainy night
航空機の撮影シーンで私のいちばんのお気に入りは「雨の日」かもしれません。もっとも「雪の朝」みたいな天気予報が出れば、前日から仕事に手がつかないくらいワクワクしてしまうのでしょうけれど、そういうのは特別すぎるので除外することにします。
雨に濡れた滑走路が誘導灯の明かりにキラキラと輝き、航空機が巻き上げる水飛沫は幻想的ですらあります。冷たい雨の降る夜に、こうしてノコノコと空港まで出かけてきた訳ですから、こんなシーンにめぐり合えるのもご褒美というものでしょう。
ところがこんなシビアなコンディションにもかかわらず、雨の空港には必ずといってよいほど先客のカメラマン諸氏がいらっしゃいます。「狙いどころはわたしもあなたも同じはず」で、抜け駆けしてきた者同士みたいな空気感が、ちょっと気恥ずかしいときがあります。